しいたけの豆知識
ビタミンDで骨をじょうぶに
ビタミンDは、骨をつくるために重要なカルシウムの代謝を助ける役割をはたします。カルシウムが不足すると、骨がスカスカになる「骨粗しょう症」などの病気にかかりやすくなるほか、イライラしたり不眠になりやすいといわれています。
しいたけには、野菜類には含まれていないビタミンDがたっぷり。とくに乾しいたけには、生しいたけの約9倍のビタミンDが含まれています。これは、紫外線を浴びるとビタミンDに変わる「エルゴステロール」という成分があるためです。
食物繊維で体内を掃除
しいたけは食物繊維が豊富な食品ですが、乾燥させると、約10倍にも増えます。食物繊維は、コレステロールや発がん物質など、腸内にたまった有害物質をスムーズに排出する効果があるほか、便秘予防にも役立ちます。
コレステロール値、血圧をコントロール
しいたけには「レシチナン」という、体の免疫力を高めてくれる成分が含まれているほか、「エリタデニン」という血液中の悪玉コレステロール(LDL、VLDL)値を下げる成分も含んでいます。乾しいたけを継続的に食べることで、血圧を下げることも期待できます。
栄養たっぷりで、機能性にもすぐれた乾しいたけ。上手に利用して、健康な体をつくりましょう。
手早くもどして、賢く使う
- ~乾しいたけ活用の裏ワザ~
- 栄養たっぷりで毎日でも使いたい乾しいたけですが、「水でもどすのが面倒」と感じている人も多いはずです。そこで商会したいのが、「使いながらもどす」裏ワザです。
軸をとった乾しいたけを手で砕いたり、調理バサミで細かく切って直接鍋の水に入れるのです。こうしてから火にかけ、徐々に温度を上げていくのですが、料理の途中で入れても問題はありません。旨みを損なわずに手早く使えます。
とった軸も捨てずに使いましょう。水に入れてもどせば「だし」がとれますし、しょうゆに漬ければ「しょうゆしいたけ」となります。最後に残った軸は、きざんで炒めものや炊き込みご飯などに使えます。
自然の力を活かし、じっくり育てる 生育と生産工程
- 菌糸が原木を食べてしいたけになる
- しいたけにとって、野菜の種に相当するものは胞子です。胞子は、木から栄養を吸収しながら、肉眼では見えないほどの細かな菌糸(シイタケ菌)となって成長し、やがて私たちが食べるしいたけができます。このしいたけが、内側のひだから胞子を飛ばして繁殖していきます。
しいたけは、シイタケ菌が子孫を増やすための道具なのなのです。 - シイタケ菌を植え、2年目の春から収穫
- 原木栽培ではクヌギやコナラなどの広葉樹の原木に菌を植え、しいたけを発生させます。菌が活発にはたらくように、水のやり方や風通し、日光のあてかたなどに注意します。
国産と中国産 しっかり見分けよう!
しいたけの栽培方法には「原木栽培」と「菌床栽培」との2種類があります。国産の乾しいたけが原木栽培なのに対し、中国産は菌床栽培が主体となっています。原木栽培ではシイタケ菌を植え付けた「ほだ木」を伏せ込み、1年半から2年かけてじっくりとしいたけを発生させます。一方、菌床栽培は、おが粉やとうもろこしがらなどに、砂糖などの栄養剤を固めた培地にシイタケ菌を培養し、100日余りで発生させます。
国産ものは、表面に光沢とつやがあってなめらかで香りがあるのに対し、中国産が褐色がかかってつやがないなど、一見して違いが見られます。また、国産ものはもどすと7~8倍にふくれますが、中国産は4~5倍にしかふくれません。
乾しいたけの生産工程
- 1.秋にクヌギ、コナラ等の原木を伐採します。
- 2.春に1m程度に原木を玉切りします。
- 3.原木にドリルで穴を開け、しいたけ菌を打ち込みます。
- 4.しいたけ菌が蔓延するようにホダ木を伏せ込みます。
- 5.しいたけが発生しやすいようにホダ木を立てかけます。
- 6.菌を打ち込んで2年目の春から、しいたけが発生します。
- 7.熱風で12~20時間ほど乾燥させます。